手汗を漢方で治せるって、ご存知でしたか？
「漢方」って聞くと、あまり即効性がないように思えますが、普通の薬よりも漢方薬の方が、こと手汗治療に関しては、効果が期待できるときがあるんです！
なぜなら、漢方は《身体を整える》ための薬であり、処方によっては西洋薬よりも漢方薬の方が、手汗を治すことができる場合もあるんです。
そもそも手汗に、なぜ漢方が効くのか？
最近では風邪のひきはじめには「葛根湯（かっこんとう）」を飲むという人も増えて来ましたし、お医者さんも普通のお薬だけでなく、漢方薬を処方することが多くなりました。
私たちが意識しないだけで、実は医療の現場では漢方薬の出番が増えているんです。
そして、多汗症の治療も漢方薬が使われはじめているんです。
東洋医学的に多汗症――手汗が過剰に出るは身体の中で熱・気・水のバランスが崩れた状態だとされています。
漢方は、そんな身体の中の熱・気・水の乱れたバランスを整えることによって、手汗が異常に出ないバランスの取れた身体を作る効果があるため、手汗治療の現場でも用いられはじめているのです！
漢方的知見から見る身体の症状
- 身体が汗をコントロール出来ていない
- 身体の熱と水分のバランスが乱れている
- 身体の中に水が溜まっている
参考:後楽堂薬局
私たちの身体はエネルギーである“気”と、血液や体液などの“水”。そして、生きるために必要な体温――“熱”の3つのバランスでなりたっています。
（厳密には異なりますが、ここはわかりやすさ優先で）
健康な身体であれば、本来は手のひらから過剰に汗が出ないわけで、それが手のひらから汗を出しているということは、身体の中でなんらかの不具合が起きている可能性が高い。
そして、漢方の場合は、気・水・熱のどれかが多すぎたり、少なすぎたりしており、身体の異常として結果的に“手汗”が出ているに過ぎないと解釈します。
さて、上記3つは、それぞれ気・水・熱のバランスの乱れが原因で手汗が出ている状態です。
具体的にどんな症状で、どんな漢方薬だと効果が期待できるのかを紐解いて参りましょう！
1.気の不足による手汗
私たちの身体は自分たちが出す”気”という見えないエネルギーで守られています。
そのエネルギーが不足すると、本来身体の中にとどめて置かなければならない”水”（汗・鼻水など）が、身体の外に出やすくなっており、それが原因となって、手から汗が出やすくなっているようです。
体表の気を整え、手汗を出なくするために、衛益顆粒や桂枝湯、などの漢方薬が用いられることがあります。
2.水と熱のバランスの乱れによる手汗
手汗をかきやすい人は、顔がほてったり、手のひらに熱を感じたりすることがあります。
この症状は、身体の中に“熱”が溜まっているからであり、身体の中で熱と水のバランスが乱れている状態にあるそうです。
（特に更年期の女性に多い）
身体のほてりが手汗をまねく――西洋医学と似た考えかたであり、この場合は、体内の熱（陽）を抑え、潤い（陰）を補う瀉火補腎丸などを使って手汗をかきにくい身体へと整えて行きます。
3.身体の中に余分な水が溜まっているからこその手汗
汗をかこうにも、身体がカラカラに乾いてしまっていたら、手汗すら満足に出なくなってしまいます。
逆に言えば手汗が出るということは、身体の中に“水”が溜まっているということ。
身体の中に水がたまる原因は、人それぞれですがお酒を飲む人は水がたまりやすく、このような症状になりやすい。
身体にたまった必要以上の熱を発散させるため、漢方薬では、身体から水と熱を取り除く竜胆潟肝湯や茵陳五苓散などを用います。
手汗の漢方治療はプロに任せるべき！不安なら手汗ケアから
漢方の世界は、医学と同じで、素人には全くわからない世界です。
いきなり「アナタの手汗は気が乱れているからで～」と言われてもちんぷんかんぷんですよね？
また、漢方薬を処方する医師にしても、マニュアル通りに漢方薬を処方しているだけであって、その処方が身体にあっているかどうかは別問題なんです！
（なぜなら、漢方薬はその人の状態によって合う薬が違うから）
つまり、たとえ病院で漢方薬を処方されたとしても、100％手汗に対して効果が出るとは限りません！
それに漢方薬がアナタの体質に合っていたとしても、その効果が「今日飲んで、明日効く」ということは、まずありえません。
西洋薬と同じく――いえ、むしろ漢方薬の方が効果が出るまでには、往々にして時間がかかるものなのです。
「手汗治療に長い時間をかけていられないよ！」という方は、手汗を抑える“手汗ケア”で、とりあえず手汗の悩みを解消されてみてはいかがでしょうか？
※もっと手汗について詳しく知り場合は、手汗対策に関して詳しく説明した記事がありますので、読んでみてください。
