手汗が出てしまうのは主に自律神経の乱れが原因であるとご説明しました。
自律神経が乱れることで交感神経が優位になり、結果として手のひらにあるエクリン腺から手汗が出てしまいます。
この乱れが原因とも言われている手汗や手掌多汗症ですが、ストレス以外で自律神経が乱れてしまう人もいるなど、詳しい原因は未だ判明していません。
そのため、現在では具体的に手汗を改善する手法が2つに分かれています。
・手汗を抑える(少なくする・エクリン腺に作用させる)制汗剤・当療法など
・手汗を治す(止める・交感神経を切断する) ETS手術など
今回ご紹介するイオントフォレーシス療法は前者の「手汗を抑える」治療法で、なぜ手汗が出てしまうのか?という原因が分からなくても治療を受けることが出来ます。
イオントフォレーシス療法とは
イオントフォレーシス療法が手汗に効く理由は具体的に証明されていません。
しかし微弱な電流によって発生する水素イオンが汗の出口に作用し、手汗が出にくくなるのではないかと言われています。
また手汗だけではなく、足のうらに汗をかいてしまう多汗症の方も治療を受けることが出来ます。
イオントフォレーシス治療の治療方法
- 水道水の入った容器の中に、手のひら・足のうらを浸す
- 10~20mA程度の微弱な電流を30分ほど流す
- 以上の行為を8~12回に小分けして行う
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q10.html
特に痛みもなく、特別な薬剤を使ったり手術を行ったりする事もないので、どなたでも安心してイオントフォレーシス療法を受けることが出来ます。
しかし1度治療を受ければすぐに手汗が止まる訳ではないので、何度も通院しなければいけません。
さらに初期治療が終了したとしても、その後2~3週間に1回は継続して維持療法を受けなければ効果が薄れてしまうのです。
手汗にイオントフォレーシス療法は効く?
継続して大体1ヶ月から2ヶ月ほどで効果が現れるため、辛抱強く継続する必要があるものの、治療を受けた8割の人に効果が見られると言われています。
「完全に治す」訳ではありませんがその効果は世界的にも有名で、日本皮膚科学会にも手汗の治療法としてイオントフォレーシス療法が掲載されているなど、医学界に認められている治療法なのです。
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q10.html
イオントフォレーシス療法に副作用はないの?
やっぱり気になるのは副作用ではないでしょうか?
ですがご安心下さい!イオントフォレーシス療法に副作用はありません。
しかし皮膚の弱い方はごくまれに、皮膚が赤くなってしまったり、治療中にかゆみを覚えてしまったりするため注意が必要です。
また、微弱な電流を流すためペースメーカーを装着している方や、心臓に障害を抱えている方は治療を受けることは出来ません。
妊婦さんや水につける部位にケガや湿疹をお持ちの場合も断られる事が多いためご注意下さい。
イオントフォレーシス療法の相場
3割負担の場合、大体の医療機関では約660円前後で治療を受けることが出来ます。
治療ペースを考えると1ヶ月に約2,500円、維持期間に入れば月に約1,500円です。
内視鏡手術(ETS手術)で多汗症を治療する場合、3割負担でも9万円前後掛かってしまうことを考えると非常にお手頃価格だと言えます。
しかし、通院時間や治療を受けている時間を考えると、働きながらでは厳しいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
自宅でも出来る!?家庭用イオントフォレーシス装置
「何度も通院しないといけないのは、仕事をしながらだとなかなか厳しい!」
そんな仕事で忙しい貴方へ向けて、家庭用のイオントフォレーシス装置が販売されています。
しかし数十分という長い間水に手を浸ける必要があり、継続的に続けなければ効力を失ってしまうなど、結局は貴重な可処分時間を失ってしまうことに変わりはありません。
そのため、一番お手軽でオススメなのは手汗用の制汗剤を利用することです!
※もっと手汗について詳しく知り場合は、手汗対策に関して詳しく説明した記事がありますので、読んでみてください。