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母の日のプレゼントで、子どもが「肩たたき券」を手渡すという微笑ましいシーンは、昔から日本の古き良き伝統芸のようなもので、私も小学生のうちまでは母に毎年のように肩たたき券をプレゼントしていた。
母はいつも喜んでくれて、渡すとさっそく1枚切り取って使ってくれた。
それから私は成長して、もう母へ肩たたき券をプレゼントすることはなくなったが、だからといって母が肩コリから解放されることはなく、母はいつも自分で肩や首を抑えていた。
時折「悪いけど、ちょっと肩叩いてくれない?」と言われることもあり、その度に私は母のうしろに回って肩を叩いたり揉んだり、首筋を押したりした。
大学生になり実家を出て、社会人になりますます実家へ寄り付かなくなった私は、もう久しく母の肩を叩いていなかった。
正月に久々に実家に戻った私に、母は「ちょっと肩叩いてもらってもいい?」と言ってきた。久しぶりに触れた母の肩がとんでもなく凝っていることに気付き、私は仰天した。
「めちゃくちゃ凝ってるじゃん!」
そう言うと、母は「なかなか取れなくてねぇ・・・」と辛そうに笑った。
実家を出ているため、母の肩を毎日叩いてやることができない私だったが、お金はある。
私は、母の日に、母に肩コリ解消グッズをプレゼントすることにした。
母の日まではまだ時間があると思い、暇な時間に家電量販店や雑貨屋などをめぐって色々見てみたが、種類が多すぎて何が良いのかいまひとつ分からない。
母にはサプライズでプレゼントしたかったので、どんなものが欲しいのか聞き出すこともできず、私は途方に暮れた。
インターネットでも色々調べてみたが、やはり母が欲するもの、母の肩コリの症状がよく分からなかったので、結局迷いに迷っているうちに、母の日となってしまった。
私は仕方なく母に「肩コリ解消グッズ券」を手渡した。
「色々見て探したんだけど、何が良いのかやっぱり本人に選んでもらわないと意味無いかなって思って・・・今度一緒に見に行かない?」
すると母は「肩コリ解消グッズ券」を眺めて微笑んだ。
「なんだか懐かしいね。小さい頃はよく『肩たたき券』をプレゼントしてくれたよね」
「今はなかなか家に帰れないし、ハイテクな肩コリ解消グッズをプレゼントするよ」
「気持ちだけでも十分嬉しいけどね。でも久々に一緒に買い物へ行くのも楽しみだし、ありがとう」
母が喜んでくれて良かった、と思いながら、私も母と久々に出かけることを楽しみに思った。